16日の株式市場でKDDIの株価が上昇し、時価総額でソフトバンクグループを逆転しています。終値ベースでのKDDIの時価総額は8.55兆円、ソフトバンクグループの時価総額は8.43兆円となり、逆転しただけでなく1,000億円以上の差もつけてしまっています。
ソフトバンクはの株価は2013年に急伸し、一時期ドコモの時価総額も上回ってトヨタに次ぐ国内2位の座を獲得したこともあります(この時の時価総額は約11兆円)。ちょうどスプリントを買収してアメリカでの事業をさらに拡大していこうとしていた時期です。投資家の期待も大きく膨らんでいたのでしょう。
しかし既知の通りソフトバンクのアメリカでの事業は上手くいっておらず、逆にスプリントの赤字がソフトバンクの業績の足を引っ張っている状態です。また本業であるはずの国内通信事業はMNPで8年ぶりに転出超過となるなど、決して好調ではないようです。そのためソフトバンクグループの株価は株式市場が盛り上がる中で取り残された存在になっていました。
一方でKDDIは特に大きなニュースがあったわけではありませんが、国内の通信事業の好調が続き、MNPでの転入もずっとプラスを続けられています。また契約純増数や一人当たりの月額料金(ARPU)なども堅調に推移しています。800MHz帯でいち早くLTEを全国展開して通信面で一歩リードしてきたことも影響していると考えられます。
iPhone販売で一世を風靡したソフトバンクですが、他社もiPhoneを扱いだし、今では「ソフトバンクといえばiPhone、iPhoneといえばソフトバンク」というイメージも無くなりました。かといって他に何かソフトバンクを象徴するイメージがあるかといえば、そうでもないのが実態です。ソフトバンクの苦戦はもう少し続くかもしれません。
さて17日の株価はどうなるでしょうか。