6月にMNP(携帯電話番号持ち運び制度)を利用したユーザー動向を産経新聞が報じています(ドコモ、MNPで6年5カ月ぶり転入超過 ソフトバンクは8年3カ月ぶり転出超過)。それによるとドコモは実に6年ぶりに転入超過となったようです。超過数は2,000程度と少ないものの、プラスとマイナスでは大違いです。
MVNO向けの契約がドコモの契約数を牽引していると推測され、auやソフトバンクからドコモ回線を用いたMVNOへと契約者が流れている状況が数字から見て取れます。確かに最近のMNO(ドコモ、ソフトバンク、au)の月額料金は高止まりしており、節約志向のユーザーは多くがMVNOに流れている印象です。
そこの流れの被害を最も受けているのがソフトバンクです。ソフトバンクの6月のMNPは8年ぶりの転出超過となり、その数も1万前後とまとまった数になっています。「他社に比べて安い」を売りにしていたソフトバンクですが、この売り文句で集めたユーザーは価格には敏感だったということです。より安い料金を求めてソフトバンクから多くのユーザーが流出しているようです。
またauは転入超過となっているものの、一時期のように何万という数ではありません。ドコモ、ソフトバンクの数から推計すると7,000〜8,000程度の転入といったところです。キャッシュバックが鳴りを潜めてMNP市場が沈静化したことも影響しているでしょう。
7月以降、そして次期iPhoneが発売となる9月以降、MVNOを含めた携帯電話業界がどうのような動きになるのか注目です。