ドコモの発表会が示した通信キャリアの未来

今日の午後に開催されたドコモの新商品、新サービスの発表会は衝撃でした。

これまでのキャリアの発表会は通信技術や通信の満足度、新機種の斬新な機能、先進的なデザインなどをCGやらタレントを使ってこれでもかとアピールする場でした。しかし今日のドコモの発表会で新機種に触れたのはほんの数分だけでした。残りは新サービス「ポイント制度」「新クレジットカード」「ローソンとの提携」「料理」「動画配信」「音楽」に多くの時間が割かれました。

新しい機種の性能や機能に期待していたガジェットファンとしては物足りない内容になったと思います。LTEが速い、エリアが広い、iPhoneがすごく便利に使える、超高性能なAndroidスマートフォンを揃えている、こんな発表会はもうなくなるのかもしれません。しかし今の通信キャリアの方向性としては正しいものだと思います。

まず通信キャリアの強みは数千万人の契約者を持つことです。そしてその契約者が毎月何らかの形で料金を支払っているという点が非常に大きな強みになっています。これは決済サービスやポイントサービスと相性が良く、auの「au Wallet」、ソフトバンクの「Tポイント」にドコモが「dポイント」で続いたのも当然でしょう。

また契約者数千万人の生活に、携帯電話が深く入り込んでいることも通信キャリアの強みです。このメリットを活かそうとしたのがローソンとの提携であったり、サービス分野である「dグルメ」「dアニメ」「dミュージック」なんかになるのでしょう。

すでに国内の携帯電話契約者数は飽和したと言われており、さらに格安なMVNOとの競争でも苦戦を強いられているMNOは成長分野としてサービスに注力するのは当然です。今後の通信キャリアの成長分野はサービスであることは間違いなく、発表会でも機種よりも新サービスという状態が続くと思われます。ただ、独自の新サービスでユーザーの支持を受けるのはかなり難しいと考えます。通信キャリアがユーザーに飽きられないためには外部の企業と大胆な提携をしていく必要がありそうです。

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