通信キャリアは総務省が定める測定方法、集計方法に沿って通信速度を公表することになっています。今年はiPhone 7発売から少ししてから計測作業が始まったようで、ドコモは昨日、ようやく測定結果を公表しました。(実効速度計測結果)
iPhone 6s→iPhone 7で通信速度は1.6倍に
昨年、ドコモが実施したiPhone 6sでの測定結果は下り通信速度の中央値が70Mbps、25%値が49Mbpsとなっていました(下図)。
昨年の段階でも結果はかなり優秀といってよく、ほとんどの場所(測定場所の75%以上)で動画閲覧でも問題のない通信速度を記録していました。しかし今年、iPhone 7ではさらに通信速度が向上しています(下図)。iPhone 7になって機種が対応する通信速度が450Mbpsまで上がり、またドコモの通信網の下り最大速度が375Mbpsになったことが影響していると考えられます。
中央値は70Mbpsから111Mbpsまで向上し、25%値も88Mbpsと大幅に向上しています。75%以上の測定場所で昨年の中央値よりも速い通信速度を実現しています。ドコモの通信ネットワークとiPhone 7の相性はかなり良さそうです。
au、ソフトバンクの結果は?
ドコモが通信速度を公表したので、他社の結果もまもなく公表されると見られます。ソフトバンクは今年度中(3月末まで)に公表するとしているようです。auもその時期までに公表することになるでしょう。ただソフトバンクもauも、iPhone 7での理論上の最大通信速度はドコモよりも遅く、通信速度の公表に積極的にはなっていないかもしれません。
これから3月末まで、学割商戦が最も激しくなる時期です。下手に公表することで、ドコモショップなどで大々的に比較のポップが掲げられるのは避けたいはずです。特にauは昨年、発表しなかった上りの通信速度をドコモが独自に集計して公表してしまい、その遅さが話題になってしまいました。3月の商戦期への影響を最小限にとどめられる時期を探っているのかもしれません。ただ、auは一部地域でWiMAX2+でアップリンクCAを実施しているため、昨年ほど上りが遅いことはないかもしれません。どのくらい改善しているかにも注目したいです。