ソフトバンクのT-Mobile US買収はどーなってるんでしょうか?

ソフトバンクがSprintの買収を完了させてから1年が経ちましたが、Sprintの再建はそこそこに焦点はT-Mobile USの買収へと移っています。電波行政の監督官庁、反トラスト法を運用する司法省からは反対意見が付いているとされますが、孫社長は買収に向けて政界・財界工作を含めて打てる手を全て打っている印象です。

しかし散発的に出てくる情報は「合意に向けて前進」というものが多く、具体的に合意に達したというものはまだ出てきません。常に来月にも正式提案という情報がでてきて、事態はあまり進展していなさそうです。この膠着感を反映してかSprintの株価はここ最近下がり続けています。

ここ1ヶ月のスプリントの株価推移

年初にはT-Mobile US買収が実現すると織り込まれ、株価も高騰したのですが、その時に比べて3割ほど値を下げている計算です。もしSprintがT-Mobile USを買収できなければ株価の理論値は5ドル台ともいわれています。最近の株価はその理論値に向かっている印象もあります。

しかし、今の状況から法律的な障害の有無にかかわらず、ソフトバンクが正式に買収提案することは間違いなさそうです。その結果、ソフトバンクは膨大な違約金(1000〜2000億円)の支払い条項に同意すると予想され、背水の陣を張ることになりそうです。もし買収が失敗に終われば、ソフトバンクの米国事業全体で大幅な戦略見直しが必要となるような問題になってしまっています。すんなりとは行かない状況自体がSprintの株価を押し下げているのかもしれません。

日本のユーザーにとって、Sprintの買収を含めてソフトバンクの米国での事業はそれほどメリットを感じません。しかし買収後の目玉施策として、国際ローミングをT-Mobile(欧)、 Sprint(米)、 SoftBank(日)の3社で無料にするとも噂されており、実際に買収が完了すればいろいろメリットが出てくるかもしれません。企業が巨大化することでiPhoneや通信機材の調達で有利になるとされていますが、ユーザーにも目に見えたメリットがあれば買収成功を応援したくなります。

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