AppleがHomePodを発売してから1週間近くが経ち、分解レポートが複数のメディアに掲載されていますが、それらから部品や包装の価格を計算して、HomePodの原価率が計算されています。原価率を計算したブルームバーグによると、HomePodの部品価格(包装費用を含む)は216ドルで原価率は約62%となったとしています。
競合他社より原価率は高め
Google Homeの原価率が34%、Amazon Echoが44%となっており、HomePodの原価率が突出して高いことがわかります。これはHomePodが音質にこだわり、高い部品を使っていることが原因となっているようですが、それだけでなくAppleができるだけ価格を下げて販売台数を確保しようとしている結果が出ていると考えられます。
HomePodは発売が延期され、他社に出遅れたものの、音質や聞き取り性能では他社製品と比較して引けを取らないようです。その品質を支えているのが高性能(高価格)な部品であり、その結果として349ドルという他社製品をはるかに超える価格設定になったのでしょう。しかしAppleは349ドル以上の価格にして一定の利益率を確保することではなく、できるだけ価格を抑えて普及を目指すことを選択したようです。
600ドルは高すぎる
仮にHomePodの原価率をGoogle Home並みにするとすれば、その価格は635ドルになり、Amazon Echo並みにしても490ドルとなります。流石にまだ用途のはっきりしないスマートスピーカーに500ドルも600ドルも払える人は少ないでしょう。こうした点を踏まえて、Appleは原価率を上げて(利益率を下げて)販売価格を抑えたと考えられます。
ちなみにiPhone Xの原価率が36%であることを考えると、やはりAppleはHomePodの価格設定において、普及を目指した戦略価格としたと考えて良さそうです。僕としてはスマートスピーカーが349ドルでも高いと思うのですが、それでもAppleにすれば頑張った方なのかもしれません。