WWDCの基調講演で発表された電話アプリの新機能は色々と楽しみな内容でした。中でもVoIPサービス（LINE通話やFacebook Messangerの通話、Skype通話など）と電話アプリの連携はかなり興味深いです。
電話とVoIPが融合
過去にauがSkypeを組み込んだ通話サービスを提供していましたが、あまりうまくいかなかったようで既にこのサービスは終了し、現在、VoIPと通信事業者が提供する通話サービスは明確に区分されています。
この区分がiOS 10の電話アプリで曖昧になっていく可能性があります。もちろん通信事業者の通話サービスは品質や安定性などで厳しい要件があり厳密にVoIPとの区分がなくなることはありません。しかし利用側がVoIPと電話をまとめて「通話サービス」として捉えるようになりそうです。
電話アプリのVoIP新機能とは
iOS 10からは通常の電話の着信と同様に、着信時に発信者の写真が全画面に表示されます。これまでは通知ダイヤログなどで着信を知らせていたのですが、これが電話の着信と同じになります。もちろん着信画面で通話拒否やメッセージでの返信も可能です。
また連絡先から発信先としてVoIPさービスも選択できるようになり、iPhoneユーザーは電話での通話かVoIPでの通話かを意識する機会が減りそうです。
この機能が他社のスマートフォンにも広がれば、将来的に電話番号というものの存在感は低下していくでしょう。その一方でLINEやSkyoe、FacebookなどのSNSのIDの存在感は増すはずです。この動きの中でスマートフォンを取り巻く企業の力関係も変わっていくはずです。iOS 10は通信業界の大きな変化の第一歩になりそうな気がします。