Appleは環境に関するレポートを同社Webサイトに掲載しています(環境)。その中でiPhoneなどの再資源化を進めていることも記されており、一部のMac mini(Apple社内で利用する業務用)の筐体は回収されたiPhoen6のアルミニウムを使って作られているとのことです。
組み立て工場のMac miniはiPhone 6から
レポートによればAppleは回収された製品から新たな製品の原材料を取り出し、一部は堆肥化またはエネルギーに変換する取り組みを続けています。究極的には全ての製品の原材料の「採掘への依存を完全に終わらせる」ことを目標にしているようです。非常に難しい取り組みですが、この挑戦には大きな意味があると思います。
回収した資源の利用の第一歩として、AppleはiPhoneの組み立て工場で利用するMac miniを回収したiPhone 6のアルミニウムで製造していることを公表しました。まだまだ完全な再資源化には程遠い現状ですが、これが第一歩になることは間違いないでしょう。手元のiPhoneもApple Storeの下取りに出せば、世界のどこかの誰かが購入するApple製品に生まれ変わると考えればなかなかロマンがあります。
都市鉱山としてのスマートフォン
iPhoneに限らず、電子機器全般には多種多様な貴金属が使われています。これを回収して再び利用するという試みはすでに各所で始まっています。2020年の東京オリンピック・パラリンピックのメダルもこれら電子機器から回収された金属が利用されることが決まっています。僕も都庁の回収所に古い携帯電話を提供してきました。
ちなみに10万台のiPhone 6からは金が1.3kg、銀が7kg、銅が800kg回収できます。10万台のiPhoneを分解するのは大変、と思いますが、専用のロボット「Liam」が2台フル稼働すれば年間最大240万台も分解できるそうです。10万台なんて余裕で分解できるのでしょう。将来的にLiamがさらに導入されれば販売される全てのiPhoneが分解される日が来るのかもしれません。
回収した製品を再資源化して新製品の原材料を全て賄う、このAppleの野心的な目標がいつの日か達成されることを一ファンとして期待します。