「SIMロック解除に実需がない」は詭弁

総務省がSIMロック解除のルール作りを始めているようです。非常に有意義な検討だと思います(携帯顧客囲い込み規制 SIMロック解除促進へ総務省検討)。現在、iPhone 5s/5cはドコモ版、au版、ソフトバンク版で同一のモデルとなっているにもかかわらず、違うキャリアのSIMを使うことは出来ません。普通に大手キャリアと2年契約するなら現状で問題はないのですが、これからのMVNOによる競争環境整備を考えるとSIMロック解除が必要だと思いおます。

iPhone 5s/5cはSprint, KDDI, NTT docomo, Softbankで同一モデル

例えば先日発表された「mineo」もiPhoneではauが販売した端末かSIMフリー版しか使えません。せっかく3社共通の端末を使っているのに、です。SIMロックが解除されれば、現在ドコモのiPhone 5sを使っている人が、手持ちの端末で「mineo」を利用できるようになります。またイオンやOCN、日本通信などのSIMは通常ドコモ端末かSIMフリー端末でしか使えません。これも他社で販売された端末で利用できるようになります。SIMロック解除でMVNO市場は更に活況になるでしょう。

しかし、ソフトバンクは総務省の作業部会で「実需がない」と主張しているようです。明らかにこの主張は詭弁です。SIMフリー端末が殆ど出回っていない現状で、SIMフリー端末向けのサービスが始まるはずもありません。サービスがなければ需要は顕在化しません。2年の割賦期間が終われば全端末のSIMロックを解除する。こう決めればSIMフリー端末向けのMVNOは活発になり、需要は自然と発生します。

大手キャリア側はなんとかSIMロックと2年縛りで顧客を囲い込みたいのでしょうが、3社の寡占体制が続くなら、総務省がMVNOを含めた競争促進のために強権を発動する必要はあると考えます。

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