ソフトバンクはアメリカで政治的な駆け引きをしているのか?

ソフトバンク傘下、Sprint社によるT-Mobile USの買収には2つのハードルがあります。一つ目は電波監理を行なう行政機関(FCC)との折衝。そしてもう一つが反トラスト法を運用する司法省との折衝です。双方とも競争促進、公平な市場環境の整備、利用者・国民の利益最大化を追求する機関であり、SprintによるT-Mobile買収によって市場競争がなくなること、不公平になることを危惧しています。

既に両機関からSprintに対して買収にネガティブな意見が非公式に出されていると報じられています。しかしここに来てFCCが軟化しているとの報道が出てきました。報道では依然として買収にはハードルがあるものの、市場が3強にならざるを得ないとの認識が広がり、民主党系の委員の態度に変化が出てきているとしています。(スプリントとTモバイル提携に光明、FCC委員の発言

おそらく日本と同様、行政機関の判断には多かれ少なかれ政治的な力が作用するのでしょう。それはソフトバンクも熟知しているはずです。ケネディ駐日大使が赴任した際に、真っ先に孫社長は面会に訪れています。またアメリカで公演した際にスピーチをしたのも前駐日大使です。ソフトバンクはアメリカ市場で飛躍するため、政治的に一定の影響力のある人物を巻き込んでいるっぽいです。

そしてさらに、ブッシュ政権下で国務長官を努めたコリン・パウェル氏が来日してソフトバンクの孫社長と特別対談イベントに出席します。このイベントは一般観覧も可能で、ソフトバンクのHPで観覧応募が出来ます。ソフトバンクはこうしたイベントや面談を通じて多くの政治家、政治的に影響力のある人物に対してT-Mobile US買収への「理解」を求めているのでしょうか。

何としてでもNo.1になる。それがソフトバンクの成長の原動力と明言した孫社長です。あらゆる手段を使っているのでしょう。もしかしたらもっと激しい活動があるのかもしれませんが、それが表に出ることはないのかもしれません。国内ではiPhoneの売れ行きが鈍っているようでソフトバンクの急成長は難しく、もう孫社長の目はアメリカ市場を見ている、そんな気もします。

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