iPhone開発秘話と日本から来た男

Appleとサムスンは常に特許問題で争っています。この争い、端から見ると不毛な争いに見えるのですが、Apple側が独自の発想でiPhoneを開発してきたことを印象づけるエピソードを語るなど、ファンとしては面白い部分もあります。

今回、ウォルストリートジャーナルに掲載された記事ではiPhone開発に至る生々しい部分が語られています。2004年後半、社内に少人数のチームが作られて数ヶ月にわたりiPhoneの構想を具体化していきます。このチームはまずCEOであるジョブズ氏を納得させる案を作ります。そしてジョブズ氏がその案を取締役、デザイン担当者にプレゼンして納得させる。それぞれの納得を得た段階でiPhone開発にゴーサインが下りたと語られています。

この間、プロジェクトの情報は厳密に管理され、作業用のMacは隔離され、データは暗号化されていたようです。また部屋には清掃員も入室できなかったとされています。

しかし、そんな張りつめた時期(2005年の早い時期?)に一人の男が日本からやってきます。その男は携帯電話とiPodを組み合わせた製品のスケッチを持って、この製品を作って欲しいと訴えます。Apple側は非常に驚いたのではないでしょうか。厳密に情報を管理していたのに、もしかして外部に漏れたのかも、そんな不安もあったはずです。

しかし心配は杞憂に終わります。スケッチは完成度が低く、既に動き出していた極秘プロジェクトの方が具体的で魅力的だったのでしょう。ジョブズ氏はそのスケッチを「ひどい」と評して男を帰らせます。しかしジョブズ氏もその着眼と行動力には敬意を払っていたのではないでしょうか。その後もこの男とジョブズ氏の親交は続きます。(「こうして iPhone の日本独占販売権をジョブズから獲得した」より)

2007年 初代iPhone発表時のプレスリリース

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