ソフトバンクのアメリカでの事業展開はあまり日本では報道されないので実態がどうなっているかイマイチ分かりません。日本国内のユーザーにアメリカ市場の動向はあまり関係ないのですが、日米の市場が密接になれば、便利なサービスを国境を跨いで利用できる可能性も出てきて、ソフトバンクの米国での事業展開は気になるところです。例えば日本でソフトバンクで契約したiPhoneがアメリカでSprint社のネットワークで格安にローミング(その逆も)できる、なんてことになれば利用者にとって大いにメリットになります。
しかし、少し行き詰まっている可能性が報じられています。Sprint買収を一の矢とすれば、クリアワイア買収が二の矢、ここまでは何とか上手くいったようですが、三の矢になるT-Mobileは難しくなったようです。三の矢まで放って、ようやくアメリカ市場に食い込める状況になりそうなところでしたが、それが上手くいかないとすれば戦略の修正が必要でしょう。(Wall Street Journal英語版の記事:Sprint Rethinks Acquiring T-Mobile After Public Antitrust Opposition)
もともとソフトバンクが買収するなら、株主数が多いSprintよりドイツテレコムがまとまった株を持つT-Mobileの方が買収し易かったはずです。また買収後の事業展開も黒字企業であるT-Mobileの方が安定してできると思われます。ただクリアワイアが持つ膨大な周波数とSprint社が持つ大量の契約者を目当てに、Sprint買収からアメリカ市場に入った可能性もあります。
少し行き詰まったように見える状況で、明日(日本時間11日午後10時)はスプリント社の決算発表、それに続いて12日午後4時30分からソフトバンクの決算発表会が行なわれます。T-Mobileの買収や米国市場での事業戦略について何らかの態度表明がなされる可能性もあり、注目の発表会になりそうです。