昨年からAppleは劣化したバッテリーを搭載したiPhoneの性能を抑制していた問題で消費者から不信の目を向けられる事態に陥っています。この対応として、Appleはバッテリー交換費用を値下げし、またバッテリーの状態(劣化度合いなど)をわかりやすく表示するようになりました。iOS 12ではさらに一歩進み、時間帯ごとのバッテリー利用状況やアプリごとの使用割合を明示するようになっています。
充電と消費をわかりやすく
iOS 12の「バッテリーの状態」に追加されたグラフは時間ごとにバッテリー残量の推移を記録し、バッテリー消費の多いアプリを表示します。グラフを見て、急激にバッテリー残量が減っている時間があれば、どのアプリでそれだけ多くのバッテリーが消費されたかがすぐにわかるようになっています。これが分かればバッテリー消費の激しいアプリを特定でき、以降の利用に注意を払うことができます。
また何もしていない状態でバッテリー残量の挙動がおかしい場合は故障の可能性もあります。バッテリー関連の事故は重大な被害をもたらすことも少なくはありません。バッテリー状態の変化が事細かく記録され、それが一目で確認できるとすれば、その事故を未然に防ぐことができるかもしれません。Androidスマートフォンではバッテリー状態の確認は容易だったのですが、ようやくiPhoneでもできるようになります。
アプリの評価基準にも
こうしてバッテリー消費の激しいアプリが一目でわかるようになれば、iPhoneユーザーがアプリを評価する際、そのバッテリー消費具合も考慮に入れる可能性は大いに考えられます。今でもバッテリーが急激に減ってしまうようなアプリはユーザーから敬遠されているのですが、それが可視化されてしまうとさらに評価は低くなる可能性があります。
いくら楽しいアプリでも、すぐにバッテリーがなくなってしまっては外出先などで楽しむことはできません。アプリを多くの人に使ってもらうためにには、開発者は今以上にバッテリーの消費に気を使う必要が出てきそうです。