本日リリースされたiOS 12.1で実装されたiPhone XS/XS Max、iPhone XR向けのeSIMについて、MVNO大手のIIJが実験的な接続に成功しているようです。同社は来春以降からeSIMサービスを提供予定としており、日本国内でもiPhoneのeSIMが使える日が来るかもという希望が出てきました。
国内キャリアは非対応
31日未明に公開されたiOS 12.1にはiPhone XS/XS Max、iPhone XR向けにeSIMを使ったデュアルSIM機能が搭載されています。しかし国内通信キャリア(MVNOを含む)には現時点でのeSIMへの対応を発表しているところはありません。そのため今この機能を使うとすれば海外渡航時に一時的に現地のeSIM対応キャリアで使う程度の用途しかありません。
iPhoneのeSIM、IIJフルMVNOのeUICCがダウンロードでき、通信も可能だったとのこと。あくまで技術検証のみでサービス化は未定ながら、セカンドSIMにサクッとMVNOのデータプランを書き込めることで、ちょっと競争軸が変わりそう。早期のサービス化を期待したいところ。
— Junya ISHINO/石野純也 (@june_ya) October 31, 2018
しかし上記ツイートのように国内MVNOもiPhoneのeSIMに対応すべく試行中だと予想されます。技術的な問題はそれほど高くないと予想され、あとはこれをどのようにサービスとして設計していくかという段階に入るのではないでしょうか。大手キャリアが提供できないような通信サービスをデュアルSIMの特徴を活かしてMVNOが提供できれば、かなり面白くなりそうです。
組み合わせに可能性
デュアルSIMが実現すれば、仕事用とプライベート用で電話番号を使い分けたり、データ用と通話用で契約を分離したり、昼休みに低速化するMVNO回線を大手キャリアの回線で補完したり、用途と組み合わせで可能性は無限に広がります。
どこも似たようなサービスとあまりぱっとしない通信品質で価格しか競争軸のないMVNOには、eSIMによるデュアルSIMは新たなビジネスチャンスになりそうな気配です。大手キャリアもうかうかしてられないでしょう。簡単に契約できるeSIMが普及すれば、これまで以上にMVNOへの顧客流出が問題になるはずです。
デュアルSIMが最も普及しているスマートフォンに搭載されたことで、もしかしたら通信料の低価格化へのきっかけになるかもしれません。