Appleは日本時間23日午前2時からWWDCの基調講演をオンラインで全世界に配信します。これ以外にも従来のWWDCで開発者を会場に招いて開催されていたセッションも全てオンライン開催となります。基調講演などではAppleの新しいソフトウェアやプラットフォーム、サービースが発表され、今年も憶測が飛び交って期待が高まっています。しかし最も注目すべきはAppleがオンラインWWDCをどのような形で盛り上げ、意義のあるものにするかという点なのかもしれません。
オンラインイベントの定番に
アプリ開発者やAppleファンをはじめとして世界中の人に注目されるWWDCが完全にオンライン開催となったことで、その形は大きく変わることは確実です。基調講演もこれまでのように開発者やメディア関係者を大きなホールに集めて、発表内容で参加者を盛り上げてイベント全体を作り上げることは不可能になります。これまでの基調講演を単に「無観客」にしてネット配信するだけだと、発表は面白味もなく事務的な雰囲気になる可能性が高そうです。
逆にネット配信の利点を活かして、見せ方や発表の方法に工夫が凝らされ、配信を見た世界中の視聴者が場所を隔てていても、一緒に盛り上がれる仕組みがあれば面白い基調講演になるはずです。Appleがどのような形で基調講演を配信するのか、非常に興味があります。そして完全オンライン基調講演が成功すれば、今後増えるであろう様々な業種のオンラインイベントのスタンダードになっていくのではないでしょうか。
またWWDCのメインとも言える少人数、対面で行われてきた技術的なセッションもオンライン化されるのですが、ここでオンライン化のメリット、デメリットもはっきりしてくるでしょう。世界中の開発者・技術者がメリットに気づき、デメリットを認識すればオンラインでの情報交換にも大きな転換が訪れるのではないでしょうか。Appleにはその転換のスタートとなるオンラインイベント、オンラインセッションを今回のWWDCで提示して欲しいところです。