新しいApple TV 4Kは搭載チップが更新され、旧モデルに比べて大幅に性能が向上しています。アメリカのネットメディアはApple TVの用途でも特に処理能力を使うゲームで、新しいApple TV 4Kがどのくらいの性能を発揮できるかを検証しています。(Review: Apple TV 4K (2022))
ようやくスタートラインに
新しいApple TV 4KはA15 Bionicチップを搭載し、旧モデルに比べて50%も処理能力が向上したとAppleは説明しています。実際に映像機器を扱うネットメディアFlatpanelsHdが調べたところ40%の向上に止まっているようですが、大幅に性能が向上していることは確実です(テスト方法を変えることで50%の向上となる可能性があるとしています)。Apple TVが大幅に性能を向上させたことで、家庭用ゲーム機との性能差は縮まったことになるのですが、実際にどのくらいの差になったのでしょうか。
Apple TV 4Kが搭載するA15 Bionicチップはプレステ5が搭載するチップに比べてシングルコアでは高速であり、チップ自体の性能はゲーム機として十分な水準にあるとされます(マルチコア性能はPS5に軍配が上がります)。またグラフィック性能ではApple TV 4Kが1Tflops、XBOX Oneが1.3TFlops、XBOX One Sが1.4TFlops、PS4が1.8TFlopsとなっており、Apple TV 4Kがグラフィック重視のゲームを遊ぶマシンとして最低限の水準に達したことを示しています。
またストレージ容量も128GBモデルが用意されたことで、複数の大容量ゲームをインストールできて多数のセーブデータを保持することも可能になりました(現在128GBモデルにバグがあり、データの保存がうまくいかないとの報告もあります)。これらを総合するとApple TV 4Kはようやくゲーム機としてスタートラインに立ったという印象です。
特筆すべきは消費電力
今回Apple TV 4Kのレビューを行ったFlatpanelsHdはPS5が150Wの電力を消費するゲームで、Apple TV 4Kはわずか6Wしか消費しないとしています。PS5版とApple TV版の同タイトルのゲームを比較した結果としていますが、微妙にバージョンは異なるとしています。それでもこの消費電力の差は特筆すべきであり、Apple TVの特徴になると評価しています。
また将来的にApple TVに搭載されるチップには伸び代があるとも指摘しています。Apple TVの用途でゲーム機としての役割が大きくなれば、Mシリーズのチップを搭載することで処理性能やグラフィック性能を一気に高めることも可能です。これからApple TVがどのような役割を担うことになるのか、それはゲーム業界とAppleの思惑、ユーザーの要求の中で形成されていくのでしょう。