App Storeでのアプリの取り扱い、収益分配についてAppleと争っているEpic Gamesはフォートナイトの運営における問題により、FTC(連邦取引委員会)から多額の罰金(消費者への返金を含む)を課せられました。
子供のプライバシー
Epic Gamesは人気アプリ”フォートナイト”のApp Storeでの取り扱いや収益分配でAppleと争い、結局iOS、iPadOSアプリは現在App Storeで配信されていません。このEpic Gamesがアプリの運営上の問題でFTCから罰金を課せられました。
問題となったのはゲーム内で子どもたちがいじめ、脅迫、嫌がらせに晒され、心理的なトラウマを抱える状況に適切に対応しなかったことでした。さらにEpic Gamesは子どものプライバシーデータを親の承諾なしに収集しており、同社はこれら行為の罰金として2億7,500万ドル(約377億円)を支払うことでFTCと和解しました。
さらにゲーム内で不明瞭な表示を使ってアイテム購入に誘導し、親の承諾なしに子どもが課金できるようにするなどの行為も問題視されました。また請求に異議を唱えたユーザーのアカウントを無効にするなど、不適切な対応も重なり、FTCは2億4,500万ドル(約335億円)を消費者に返金するように命じました。
App Storeで配信していれば
子どもがオンラインゲームで第三者とコミュニケーションを取りながら遊ぶゲームで発生するトラブル、子どもの課金トラブルはフォートナイトに限ったことではありません。しかしApp Storeでアプリを配信するなら、親の同意を得ない課金や紛らわしいアイテム課金といったものは実装できません。またiOSの設定で子どものプライバシー情報の提供も制限できる機能があり、これら問題は発生しなかった可能性が高いでしょう。
アプリ内でのいじめ等もApp Storeで配信を継続するためにはコミュニケーション機能の年齢制限などを厳しくしていく必要があったはずで、今回のような罰金には至らなかったかもしれません。Epic Gamesは収益配分に異議を唱え、App Storeの規約の恣意的運用に反発してAppleと袂を分つこととなったのですが、その結果として多額の罰金を支払う方向に進んでしまったといっていいかもしれません。