Appleは3月21日にiPadの新モデル「iPad」を発表しました。「iPad」はこれまで販売を続けてきたiPad Air2を廃止して登場したモデルですが、性能・機能ともにスタンダードな印象の商品となっています。
Apple PencilとSmart Keyboardには非対応
発表された「iPad」はiPad Air2と同様、Apple PencilとSmart Keyboardには非対応となっています。これらに対応するのは「ノートブックの代替となり得る性能を持つiPad Proだけ」というApple側の意図が透けてみえますが、せっかくなので「iPad」でも対応させて欲しかったのも事実です。
Appleとしては「iPad」をノートブックのように使うのではなく、リビングでのコンテンツ視聴、Webブラウジング、HomeKit対応製品のハブという役割をもたせたいのでしょう。多くの家のリビングにiPadがある、という状況を作り上げるために買いやすい価格設定にしたとも考えられます。リビングのiPadにグラム単位の軽量化は不要と考えれば、少し重くなったことにも納得できます。
なおSIMカードでもiPad Air2と同様にApple SIM(別売り)に対応しており、iPad Proが採用するe-SIMには対応していません。これらを総合するとAppleはiPad ProとiPadで明確に利用シーンを分けて考える方向に向かっている可能性があります。
A9チップとA8Xチップの比較
発表された「iPad」で気になるのがその処理性能です。iPad Air2がA8Xチップを搭載していたのに対し、「iPad」はA9チップ(iPhone 6sと同じ)を搭載します。チップの型番の数字は大きくなっているのですが、実際のベンチマークではスコアが逆転しているケースもあります。
シングルコアの処理性能ではA9チップが圧勝ですが、マルチコアではA8Xもほぼ同等の性能を示します。また画像処理性能でもオンスクリーンではA9が優っているのですが、オフスクリーンではA8Xが高いスコアを出しています(画像処理について端末の画面サイズが違うため厳密な比較ではない)。実際に使う際に、奏法の違いが明確にがわかるかは微妙なところです。
Appleは認めないと思いますが、今回発表された「iPad」は普及版という意味合いが強い製品になっていると思います。