AppleはiOS 9の目玉機能としてNewsアプリを公開しています。しかし利用できるのはアメリカ、イギリス、オーストラリアのユーザーのみです。発表直後は日本での利用も時間の問題じゃないかと思っていたのですが、全く音沙汰がないままiOS 11まできてしまいました。そのNewsアプリをFilipboardのCEOが「過去のもの」と酷評しています。(Flipboard CEO calls Apple News a ‘product living in the past’ in new interview)
特徴だった「編集」が裏目に?
Appleが提供しているNewsアプリの最大の特徴は編集者による記事の選別です。他社のニュースアプリの多くがアルゴリズムを用いて記事を選別し、提供しているのに対し、Newsアプリは人が介在して記事を提供するという特徴を持っています。そのため質の高い記事が常にユーザーに届けられ、質の低い記事でアプリ内が埋め尽くされることがないとしていました。
しかし人々の興味は多様であり、編集者が独断で記事を配信するのは時代遅れなのかもしれません。この点をFilipboardの共同設立者であるMcCueが「過去のもの」と評しています。ただAppleのNewsアプリは少なくとも7,000万人の月間アクティブユーザーを獲得するまでに成長しています。徐々にiPhone、iPadユーザーに受け入れられつつあるメディアに成長しているのも確かです。どこまでNewsアプリが成長するか、まだまだ注目したいと思います。
日本での展開は?
日本では依然としてNewsアプリが利用できません。おそらく日本語に対応する体制が整っていない(整える気がない)ために遅れているのでしょう。Appleが英語圏以外でNewsアプリの編集者を募集しているという情報もありません。日本では忘れられた存在になってしまったNewsアプリはサービス開始の目処が立たないまま、他のニュースアプリとの競争で埋もれていってしまうのでしょうか。
私はNewsアプリが日本で提供されれば、多くの人に情報を届けられる可能性のあるメディアになるとは思っています。ただAppleがNewsアプリを発表してから長い時間が経過し、既に日本のNews閲覧アプリもユーザーが固定されてしまった感があります。そこに割り込んで、活路を見出すのは困難な気がします。