1月25日に最初のベータ版がリリースされたiOS 10.3は先日beta7がリリースされたことで、いよいよ正式版リリースが近づいてきました。iOS 10.3には様々な機能が盛り込まれていますが、ベータ版の分析から判明した新機能をまとめておきます。
「AirPodsを見つける」を追加
iOS 10.3のベータ版がリリースされた直後、多くのネットメディアがこぞって伝えたのが「AirPodsを探す」でした。確かに紛失しそうで心配なAirPodsですが、この機能(iPhoneを探すアプリに追加されます)を使えば最後にiPhoneに接続した場所が表示されるようになっています。もちろんAirPods自体にGPS機能は搭載されておらず、あくまで補助的な「探す」機能です。
さらにAirPodsを見失った時、音を鳴らして探すこともできるようです。ただイヤホンのためそれほど大きな音は鳴らないようで、屋外ではあまり使い物にならないかもしれません。ちなみにAirPodsのケースは通信機能を搭載していないので、この機能では探せないようです。
Siriがクリケットの試合情報を教えてくれる
インドの人気スポーツ「クリケット」の試合情報にSiriが対応するようです。IPLとICCの情報を元に利用者に得点情報をSiriが教えてくれる機能がiOS 10.3で追加されます。日本のユーザーにはあまり関係がなさそうですが、クリケットのようなスポーツがSiriに対応したとすれば、将来的には相撲や高校野球が対応する可能性も出て来そうです。
ちなみに現時点では、日本のプロ野球の試合は途中経過などをSiriが教えてくれます。iPhoneを手で操作しなくていいため車の運転中に試合の途中経過が気になった場合なんかは便利かもしれません。
設定の項目に「プロフィール」の項目を追加
iOS 10.3の設定にはユーザーの情報を一元的に表示する場所が追加されます。「プロフィール」ではiCloud IDやiTunes、AppStoreのアカウント情報、さらには同じApple IDで使っているApple製品の状況がわかります。今まで色々な設定項目に分散していた項目がこの「プロフィール」にまとめて表示されることになります。
それほど大きなメリットはないものの、一覧で見られるのはわかりやすいかもしれません。ディバイスの状況で空き容量が少なくなってきたら、iCloudの追加容量を購入してそちらにデータを保存するなんてことをプロフィールからできるようにするのが狙いなのかもしれません。
Apple File System (APFS)を採用
iOS 10.3の隠れた注目機能がApple File Systemの採用と言われています。ファイルシステムの更新は30年ぶりとされており、一部ではかなり期待されています。HDD時代のファイルシステムがAFPSでフラッシュストレージの利用を前提としたシステムに変わります。MacユーザーやiPhoneユーザーが通常の利用で意識する部分ではありませんが、時代の転換点となる更新になるようです。
技術的な部分は難しく、APFSについては(Appleがファイルシステムを大幅刷新する理由)の記事が詳しく書かれています(要会員登録)。僕は詳しくないので、フラッシュストレージ時代の幕開けには必須のファイルシステムだということぐらいしか理解できませんでしたが。
ポッドキャストアプリが音楽アプリのようなデザインに
Podキャストは多くの番組が揃えられており、他のメディアとの交流も活発で一つの文化圏を作り上げています。ただ、使う人はたくさん使うけど、使わない人はアプリを開いたこともないというくらい、利用状況が二分されるアプリでもあります。そのポッドキャストアプリのデザインが音楽アプリのデザインと統一され、より使いやすい、とっつきやすいアプリに生まれ変わります。
アプリ評価に対して開発者側の返信が可能に
AppStoreでのアプリの評価はダウンロード時の参考にすることが多く、評価の高低はアプリの販売数に直結します。しかし理不尽な理由によってアプリの評価が下げられていることもよく目にします。これまで理不尽な評価に対して開発者は為す術がなかったのですがiOS 10.3では「反論」が可能になります。
反論以外でも不具合の指摘に、修正予定を通知するなど評価欄でサポート情報を交換することも可能になるでしょう。どのくらい活発な評価欄になるかは運用が始まらないとわかりませんが、少なくとも今のような言いっ放しの評価欄が改善されることになります。ただいちいち評価欄のコメンントに反論しなければいけないとすれば、開発者の負担が増える懸念はあります。
CarPlayでアプリの挙動を変更
徐々に普及が進んでいるCarPlayにおいて、アプリのクイックスタート機能や音楽アプリのアルバムへのクイックアクセス機能がiOS 10.3で追加されます。これも使っている人にとっては便利になる改善だと思われます。ただまだまだCarPlay対応の車種は多くありません。あまりCarPlayの話題が大きくならないのも、まだ使っている人が少ないからかもしれません。
地図アプリで3D Touchを使うと天気データを表示
AppleはiOS6から独自の地図アプリを提供しています。当初は完成度が低く使い物にならなかったのですが、徐々に改善が進み、機能の追加も随時行われています。iOS 10.1では乗り換え案内が使えるようになり、iOS 10.3では天気予報も表示されるようになります。表示方法は天気予報の知りたい場所を地図上で強く押せばOKです。iPhoneの3D Touch機能を有効に使える新機能で、旅行中などに活躍できる機能になるでしょう。
これら機能以外にもiOS 10.3には様々な機能が追加されると考えられています。これから2週間おきくらいのペースでベータ版が更新され、その度に新たな機能が明らかになっていくと思われます。