Appleが教育機関への食い込みを狙って発表したiPad(第6世代)の分解レポートをiFixitが公開しています。このレポートによるとiPad(第6世代)は、これまでのiPadと同様に部品の接合に接着剤が用いられており、修理は非常に難しいという結果が出ています。
修理への配慮も欲しかった
iPad(第6世代)はApple Pencilに対応し、公立学校で開催されたイベントで、子供達の教育の現場で使えるソフトウェアと一緒に発表されました。iPad(第6世代)を教育向けとして子供の利用に最大限フォーカスする意図があったかもしれませんが、修理がしにくいハードは子供の利用にはあまり適しません。その点で言えばiPad(第6世代)の修理の簡単さ2点(10点満点)という結果はかなり残念です。
学校に何十台、何百台とiPad(第6世代)が導入されれば、落としてディスプレイが割れるなんて毎日のことになるでしょう。また利用期間が長くなればバッテリーの交換が必要なiPadも増えてくるはずです。これらを校内で修理できれば費用的なメリットがあるだけでなく、子供に自分たちが使っている機械の中身を見ることができ、また一つの機械を大切に使うことを教えられるという教育的なメリットもあると思うのですが、それはAppleの考えではなかったようです。
修理する権利とApple
iFixitは自分の購入したデバイスを自分で修理する権利(誰でも修理できる権利)を提唱しています。この権利はまだあまり一般的ではありませんが、地方議会でこの権利を認める法律の審議が進みつつある段階です。Appleとしては修理は一つの収益源であり、また未熟な業者による修理でユーザー体験を損ねてしまうことを懸念し、こうした法案に反対しているようです。
ただAppleも環境への配慮を前面に押し出している企業でもあります。修理についての理念で対抗するiFixitとAppleですが、環境への配慮という点では両者に一致した目標があります。そこで協力しあって、いい結果を導いてもらいたいと思っています。