AppleはGoogleの検索と人工知能の責任者であるJohn Giannandrea氏を雇い、ティム・クックCEO直属として械学習とAI戦略を担うポジションにつけると報じられています。
Siriの改善のため
AppleがJohn Giannandrea氏を雇用したのはSiriの改善のためとされます。Siriはプライバシー保護を強く意識しているため、他の音声アシスタントに比べて出来ることが少なく、また機械学習にとっても不利な面が多いとされます。そのプライバシー保護とAI、機械学習の性能向上をバランスよく実現することを期待されているのが、John Giannandrea氏ということになります。
最近、AppleはSiriに関する求人を増加させているというニュースも出ました。今回のエグゼクティブのスカウトも含め、数年で一気にSiriを進化させていく計画なのかもしれません。HomePodはもちろん、iPhoneやiPadの競争力もSiriにかかっている部分が多くなりつつあります。その状況で今回の人事は正しい方向だと思います。
すでにSiriには情報提供
昨年3月に公開されたiOS 10.3から、iPhoneやiPadユーザーはiCloudに保存されているデータをSiriの機能改善のために、提供できるようになっています。個人を特定しない形での情報提供ということで、個人情報やプライバシーが他の利用者やAppleに漏れてしまうことはないとされます(一応、情報提供をOFFにすることもできます)。
僕はSiriが便利になるなら、という気持ちでiCloud内のデータ提供を許可しているのですが、さらにSiriが賢くなるにはもう一歩踏み込んだプライベートな情報が必要になるのかもしれません。プライバシーと機械学習用のデータ取得のバランス感覚は今後さらに重要になっていくとみられ、今回雇用したJohn Giannandrea氏がティム・クックCEOの直属となってハンドリングしていくことになるのでしょう。
Appleなりの音声アシスタントがどのように発展していくのか、Siriの周辺はApple関連でもかなり興味深い分野の一つになりつつあります。