2月にアメリカ、イギリス、オーストラリアで発売になったHomePodの販売が思わしくないようです。「AppleはHomePodの生産台数を月間20〜30万台まで減らしており、このままだと年間の販売台数は300〜400万台程度になる」との見通しをドイツ銀行が投資家向けのレポートで予測しています。(Deutsche Bank says HomePod has ‘missed the mark’ in investment note which misses the point)
さらに低い予測も
Apple関連の分析で定評のあるKGI証券はさらに低い予測を出しています。同証券のレポートでは年間出荷台数は200〜250万台に止まるとされ、かなり厳しい数字を示しています。ドイツ銀行もKGI証券も、双方ともサプライヤーからの情報をもとに予測しており、それぞれの数字には一定の根拠はありそうです。どうやらHomePodの販売はあまり上手くいっていないようです。
限られた用途と高い値段という二つの足かせをつけて、Amazon EchoとGoogle Homeと競合しなければいけないHomePodは苦戦を強いられるのも無理はありません。しかしAppleがHomoePodで他社の音楽サービスの再生(一応今でもAirPlayを使えば可能ですが)を許すことは考えにくく、またHomeKit対応製品が急に増えて便利になることも想定できません。
当面、HomePodは足かせを付けたまま他社のスマートスピーカーと競争しなければいけないでしょう。
低価格HomePodの可能性も
AppleがHomoePodの販売を加速させるために、低価格モデルを用意するという噂は現実的になりつつあります。349ドルというスマートスピーカーにしては高い価格設定は、やはりHomePodに対する需要を弱くしています。また今年後半に予定されるHomePodのアップデートで複数台を使ったステレオ機能、マルチルーム機能が提供されることから、低価格モデルの必要性も出てきます。
Appleが低価格モデルの発売で販売台数を底上げするのか、それとも今のプレミアム路線を維持するのか、注目されるところではあります。ただこのまま販売の低迷が続けば日本での発売も遅れそうで心配です。「春」と予告されているドイツとフランスでのHomePod発売も未だに音沙汰がありません。HomePodがこのままフェードアウトすることはないはずですが、少し心配になってきます。