まだまだ夜の気温は氷点下まで下がるのですが、ビニールハウス内での野菜栽培は始まっています。とはいえ温度管理は必須で、しっかり管理しても発芽や育成は適温が保てる季節よりも遅めです。そうした管理の助けになっているのがHomeKit対応の環境センサー(EVE degree)です。
記録が残せる
HomeKitに対応した環境センサーをビニールハウス内に設置してあるのでiPhoneやApple Watchでいつでも温度や湿度が確かめられます。それだけでなく今年の気温と昨年の気温(昨年はアナログ温度計を利用)を比較して発芽の遅れ(早まり)、育成期間や出荷時期の判断が可能になります。環境センサーで取得された記録は自動でiPhone内に保存されるので、毎日メモを取る必要もなく、アナログの最高・最低気温を記録できる寒暖計のようにリセット忘れもありません。
正確にデータを取ることで播種の時期を最適化できる可能性が出てきます。これまでハウス内の暖房なしでの栽培は無理と勝手に思い込んでいた作物も、寒い時期から案外いけるんじゃないかと推測できるようになりました。時期をずらして作物を栽培することで販売もやりやすくなります。HomeKit対応製品の種類が増えてくると、これら製品が施設園芸農業で果たせる役割は大きい気がします。
家庭利用だけではない
HomeKit対応製品といえばホームオートメーションをイメージしますが、上記の例のようこれまで業務用しか選択肢のなかった分野にも応用が可能でしょう。普段使っているスマートフォンで簡単に操作でき、手軽な価格で、それぞれの機器を連動させやすい。小さな規模で運営する事業者ほどこのメリットを受けることができるでしょう。農業だけでなく、様々な分野での応用に期待できます。
それにはHomeKit対応製品の増加が必須です。2019年頃からようやく日本でも使える製品が増えてきたのですが、まだまだです。もっといろんなHomeKit対応製品が販売されるようになれば、それを組み合わせることで各種産業の作業効率化に貢献するのは間違いないと思います。