21日未明、Appleは一般ユーザー向けにiOS 13.5を公開しました。この更新では新型コロナウイルスの感染経路を調べるための濃厚接触検知機能(のAPI)が含まれており、またマスクをした状態でのFace IDの挙動にも変更が加えられるなど、時勢を反映した機能が盛り込まれている更新となっています。
マスク装着を検知
iOS 13.5ではマスクを装着しているユーザーの多くが期待していた機能が実装されました(完璧に要望に応えるものではありませんが)。iOS 13.4までのFace ID搭載機種では、マスクを装着してiPhoneのロック解除を試みると、まずFace IDが作動し、認識に失敗したと判定されてからパスコード入力画面が出てきます。この間、1〜2秒程度なのですがマスクを日常的に着用するようになると毎回Face IDの失敗→パスコード入力と進む煩わしさを強く感じるようになります。
今回のアップデートではこの煩わさしさを低減するため、Face IDが作動したときにユーザーがマスクをしていると検知した場合、すぐにパスコード入力画面が出てくるようになりました。待ち時間がほんの1秒、2秒短くなっただけですが、これまではロック解除のたびに待たされていたので大きな改善だと思います。欲を言えばマスクをしていてもFace IDでロック解除が可能になって欲しかったのですが、これを実現すればセキュリティ性能が低下するとも言われており今回は実装されませんでした。
新型コロナウイルスの流行がひと段落ついたとしても、マスク着用の習慣は当分継続されると思われます。そうなればFace IDが不便なロック解除方法になってしまう可能性もあります。また冬になれば手袋をするユーザーも増えてくるので、Touch IDも万能ではありません。虹彩認証などの新しいロック解除方法(または複数を組み合わせた方法)がiPhoneに搭載されることに期待したいです。