Appleは来週にも配信されるHomePodのファームウェアでHomePod miniに内蔵されている温度、湿度センサーを有効化します。ではなぜ今までこのセンサーが使えなかったのでしょうか。
15度〜30度、30%〜70%
HomePod miniの温度、湿度センサーが使えれば、環境変化に伴って自動で扇風機、換気扇、加湿器、ブラインドなどを操作して快適な環境を維持することが可能になります。しかしHomePod miniの発売から2年以上が経過してようやくセンサーが有効化されることになったのにはどんな理由があるのでしょうか。ヒントは温度、湿度センサーについての注釈にある気がします。
“温度と湿度センサーは、環境温度が約15°C〜30°C、相対湿度が約30%〜70%の一般家庭の室内向けに最適化されています。オーディオが大音量で長時間再生されている状況では、精度が低下する場合があります。HomePodは起動直後にセンサーの調整をするため、結果を表示するまである程度の時間を必要とします。“
注釈にはこう記されており、HomePod、HomePod miniに内蔵されているセンサー自体の精度があまり高くないことを示唆しています。もちろん0℃でも10℃でも40℃でも温度を測ることはできそうですが、精度が下がる可能性があるのでしょう。またスピーカー利用(で発する熱)がセンサーを狂わせる可能性も記されており、これまでセンサーの精度がAppleが求める水準にならなかったのかもしれません。
それがソフトウェアの最適化などを経て一定の水準に達したことで、今回機能が解放されれたのかもしれません。
正確な数字は
AppleはHomePodの温度、湿度センサーを使って自動で部屋のブラインドを開け閉めしたり、扇風機を回したり、そうした利用を想定しているようです。この程度の利用ならHomePod内蔵のセンサーでも十分かもしれません。しかし正確な数字を長期間にわたって記録したり、温度や湿度に敏感な植物の栽培、動物の飼育などに使うならHomeKit対応の温度計、湿度計を使った方がいいでしょう。
現在HomeKit対応の温度、湿度センサーは国内で購入するのは難しくなっています。ただ今後、多くのメーカーがMatterに対応したセンサーを販売することになるでしょう。HomePod内蔵センサーの精度に不安があれば、今年中にも出揃いそうなMatter対応のセンサーを購入する方がいいかもしれません。