ソフトバンク傘下スーパーセル、中国企業が1兆円でお買い上げ??

ここ数日、ソフトバンクが持ち株の売却を進めているというニュースが伝えられています。その一環として2013年にソフトバンクとガンホーが共同で買収したスーパーセルも中国のテンセントへの売却交渉が行われているようです。

スーパーセル

売却額は90億ドル?

この売却交渉のニュースを伝えたBloombergは関係者からの情報として、売却額は90億ドル(約9,600億円)に達する可能性があるとしています。ソフトバンクがスーパセルを買収した時の価格が1,500億円だったので、単純に計算すると8,000億円以上の売却益を得ることになります。

しかし本当にスーパーセルにそれほどの企業価値があるのでしょうか。大ヒットしたiPhoneアプリで急成長したとはいえ、そこまでの価値があるとも思えません。ロイターも今後の企業価値判定の結果で売却額は変動すると伝えており、この額をそのまま受け取るわけにはいきません

スーパーセルのiOSアプリは4つだけ

クラッシュ・オブ・クラン

クラッシュ・オブ・クランで有名なスーパーセルですが、同社がリリースしているアプリはヘイ・デイブーム・ビーチ、そして今年1月にリリースしたクラッシュ・ロワイヤルを加えた4本だけです。しかも日本のApp Storeのトップセールスランキングを見ても、クラッシュ・オブ・クランがかろうじて30位にランクインしているものの、新作のクラッシュ・ロワイヤルが48位ヘイ・デイが136位ととても1兆円の価値のある企業のランキングとは思えません。

ブームビーチ

アメリカのランキングでも、無料アプリのダウンロードランキングでクラッシュ・ロワイヤルが76位、ロングヒットアプリであるクラッシュ・オブ・クランが92位と、あまりいいランキングとは言えなさそうです。 また一般的に、この種のアプリは一つヒットすれば、すぐに類似アプリが登場し、さらにiPhoneの販売台数も頭打ちとなってしまっている中で、一頃のように大きな収益を上げるのが難しくなっている分野でもあります。

こうした状況下にあるスーパーセルに1兆円の価値があるのか、疑問に思います。どういう計算でこの額になったか、テンセントがこの額に納得して購入するのか、非常に興味深いところです。

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