Apple Watchの販売に加速がついてきているようです。アメリカの調査会社IDCの調査でApple Watchの販売数が前年同期比で57.5%も上昇していることが判明しました。このApple Watchの販売台数上昇にはいくつかの要因が考えられますが、どれか一つが大きく影響したのではなく、全ての要因が複合的に作用した結果だと考えます。
LTE、Apple Pay、ヘルスケア
発売当初、Apple Watchの使い方として注目されていたのが通知機能です。メールが来れば手首に振動で伝わるので見逃しがありません。メッセージにそのままは簡単に返信ができて、電話への応答も可能。まるでiPhoneの子機のような使い方が「便利」と紹介されることが多くありました。しかし当時のApple Watchにはそれくらいしか使い道がなかったというのも事実です。
Appleはそこから健康管理(ヘルスケア)や活動記録、Apple Musicのストリーミング再生、日本でのApple Payへの対応など、watchOSの更新や新機種の投入を通して、Apple Watchの用途を着実に拡大させてきました。この便利さ拡大に加えApple Watch Series 3からはLTE通信にも対応することでiPhoneから離れて使うことも可能になり、ついにiPhoneの子機という存在から解放されました。
このような機能向上、用途拡大を通してApple Watchは徐々に消費者に受け入れられ、販売台数前年比56%増という数字を残すに至りました。
スロースタートの見本に
Apple Watchは発売前からスロースタート型の商品になるとクックCEOは明言していました。実際、発売直後こそ話題性で売れたものの、飛ぶように売れたわけではありませんでした。まもなくApple Watch(初代)が発売されてから3年が経過するのですが、Series 3の発売後にようやく売れる商品になったという感じです。
Apple Watchが売れる商品になったことで、アプリやアクセサリ類も充実するでしょう。アプリが充実すればさらにApple Watchは便利になり、Apple Watchが売れるでしょう。Apple Watchはこの循環に入ろうとしている段階なのかもしれません。先日Appleが発売したHomePodもApple Watchと同様に比較的ゆったりとした売れ行きになっていますが、3年、4年が経過した頃には生活と切り離せない製品に進化しているような気がします。