昨日、大手キャリアはiPhone、Androidスマートフォンで利用できる次世代SMS「+メッセージ」を発表しました。アプリをインストールするだけで、会員登録や月額料金なしで利用できるメッセージサービスであり、現在同サービスで不動の地位を築いているLINEの対抗馬になりうる存在として注目されています。
株価は報道に反応
NTTドコモ、ソフトバンク、KDDIの3社は午後1時に+メッセージのサービスを発表しました。月額利用料、送受信共に無料で会員登録不要という手軽さは現在のメッセージサービス最大手であるLINEの対抗馬になりうるサービスとして注目されました。ただこの発表直後にはLINEの株価は大きく動きませんでした(逆に少し上がっています)。
実際にLINEの株価が大きく動いたのはロイターが第一報を報じた直後です。報道後に株価は100円下がり、その後もズルズルと値を下げる展開が続き、最終的に報道前の高値に比べて約165円(3/85%)もの下落を記録してしまいました。確かに+メッセージはLINEの存在を脅かす可能性は大いにありそうで、同社の経営基盤を揺るがす存在になり得ます。株価が下がるのも当然でしょう。
LINE株価。携帯大手3社が13時に新メッセージングサービスを発表しても反応は薄かったが、13時49分からずとんど下げる。うちが記事を配信したのは48分だから、ディーリング材料にされてしまったか。なお、会見した3社はLINEの対抗サービスであることを否定しています。
— 志田義寧@ロイター (@y_shida) 2018年4月10日
ただ多くの投資家はこのサービスに大きな注意を払っていなかったのでしょう。報道でそのインパクトの大きさを知った可能性はあります。
どのくらい普及するのか
メッセージサービスでLINEが国内で圧倒的な勢力を築いているのは「みんなが使っているから」という背景があります。iPhoneのiMessageが普及しないのは「みんなが使っていないから」であり、メッセージサービスにとって「みんなが使っているから」というのは大きな武器になります。
今は年配の人と連絡先を交換してもLINEのアカウントを教えられるほどです。聞けば、子や孫とLINEをする人が多く、結果、仲間同士でもLINEを使い、LINEに慣れているとのことでした。このLINEの牙城を+メッセージがどこまで崩すことができるか、サービス開始直後のスタートダッシュでどれだけ多くの利用者を集めることができるかにかかっている気がします。
その意味でも早急にiPhoneでも利用できるようにして、さらにApple Watchなどの周辺機器での利用もサポートして利便性を高めていく必要があるでしょう。そして常に新しいサービスと連携させ、新機能を追加し、ユーザーに+メッセージを利用してもらい続ける取り組みも必要です。3社が足並みをそろえてどこまでできるか、ちょっと疑問なところもありますが+メッセージの普及には期待しています。