Appleは8月5日から日本でも自社マップアプリ上で「Look Around」の提供を開始しました。Look AroundはApple版のストリートビューとも言われているサービスですが、両者には大きな隔たりがあります。その最も大きな部分が対応エリアです。
関東と名古屋、近畿のみ
Googleのストリートビューは日本全国、津々浦々の道という道のほぼ全てを網羅していると言っても過言ではないくらい、長い年月をかけて細かく写真を撮影して地図上に反映させています。一方でAppleが日本でLook Aroundのためにデータ収集を始めたのが2018年7月であり、データ収集期間の差がそのままエリアの差となって現れています。
現在、日本でLook Aroundが利用できるのは東京、神奈川、愛知、大阪、京都、奈良、茨城、埼玉、千葉、滋賀、兵庫の各都府県の一部地域と案内されています。こう見ると人口の多い都府県がカバーされているように見えますが、実際は南関東、名古屋周辺、京阪神(+奈良)エリアとごくごく限られた地域になっています。(上記写真がLook Aroundの現時点での対応エリア)
ストリートビュー非対応の場所も
Look Aroundの対応エリアは非常に狭いのですが、ライバルであるストリートビューが入り込んでいない場所もカバーしているケースがあります。例としては東京上野の不忍池の遊歩道、京都市の北野天満宮の参道、大阪市の大阪城天守閣周辺など、徒歩でしか入れない施設敷地内でストリートビューが使えない一方でLook Aroundが使えるようになっています。
Appleは東京オリンピック開催に合わせて日本のマップアプリを強化していると伝えられていたように、海外からの観光客の使い勝手を重視してきたと考えられます。そのため観光スポットではストリートビュー以上のデータを用意していると考えられます。
おそらくこの方針は今後のLook Aroundのエリア拡大時にも維持されると考えられ、観光で知らない街を訪れたとき(旅行を計画するとき)に便利なLook Aroundという方向性でサービスが提供されていくと予想します。